おぐ先生(小倉 丘礼)

【令和4年】看護職員加配加算の算定条件は?計算方法や単位数を解説

看護職員加配加算とは、施設で必要基準以上の看護職員を配置した際に算定される仕組みです。看護師又は准看護師、保健師、助産師が該当します。看護職員は通所する児童や家族に必要な医療ケアなどを提供することができる職種です。放課後等デイサービスの事業運営では欠かせない存在ですので、必ず抑えた上で事業運営を行いましょう。

ちなみに看護職員加配加算は、令和3年度に改定された障害福祉サービス等報酬にて、重症心身障害児を通わせる事業以外は算定対象外になっており、重心児向け放課後等デイサービスでのみ算定可能なものになりました。

本記事では、重心児向け放課後等デイサービスにおける看護職員加配加算の算定条件について詳しく解説します。

1.看護職員加配加算の算定条件

看護職員加配加算は条件によって(Ⅰ)と(Ⅱ)があります。看護職員加配加算(Ⅱ)で算定可能なものは看護職員加配加算(Ⅰ)でも算定できてしまうので、まずは事業を行う上で看護職員加配加算(Ⅱ)を加算できるかどうかの観点で見ておいてください。看護職員加配加算(Ⅰ)でしか算定できない場合のみ、看護職員加配加算(Ⅰ)で算定するようにしましょう。

看護職員加配加算(Ⅰ)の算定条件

  1. 重症心身障害児が通う目的とした放課後等デイサービスである

  2. 放課後等デイサービスで事業を行う上で必須な人員以外に常勤換算で1名以上の看護職員を配置している

  3. 上記の算定項目規定で何かしらの医療行為が必要となる重症心身障害児であり、医療的ケアスコアとして合計で40点以上である

  4. 通所先で医療的な支援ができることをWEBなど誰でも見れるもので幅広く公表している

看護職員加配加算(Ⅱ)の算定条件

  1. 重症心身障害児が通う目的とした放課後等デイサービスである

  2. 放課後等デイサービスで事業を行う上で必須な人員以外に常勤換算で2名以上の看護職員を配置している

  3. 上記の算定項目規定で何かしらの医療行為が必要となる重症心身障害児であり、医療的ケアスコアとして合計で72点以上である

  4. 通所先で医療的な支援ができることをWEBなど誰でも見れるもので幅広く公表している

医療的ケアスコアについて

上記で話していたスコアは、厚生労働省が発表している評価基準です。項目として人工呼吸器の必要性、気管切開の管理 、鼻咽頭エアウェイの管理、酸素療法の必要性、口鼻腔・気管内吸引の必要性、ネブライザーの管理、 経管栄養 、 中心静脈カテーテルの管理など細かなスコアのアセスメントを行います。

この医療的ケアスコアをもとに、看護職員加配加算を計算していきます。ここでは3つの場合での計算方法をご紹介します。

①前年度の利用実績を用いる場合

在籍者数のうち、重心医ケア児それぞれの医療的ケアスコアを利用日数分計上し、営業日数で1日あたりの平均値をとる。

  • 営業日:200日

  • 医療的ケアスコアが16点の重心医ケア児が180日利用。

  • 医療的ケアスコア20点の重心医ケア児が150日利用。

  • 医療的ケアスコア32点の重心医ケア児が100日利用。

⇒(16点×180日+20点×150日+32点×100日)÷200日=45.4点

合計40点以上なので(Ⅰ)を算定可。

②新設または増改築を行い、前年度が3か月未満の実績しかない場合

在籍者数のうち、重心医ケア児それぞれの医療的ケアスコアを合計した数をとる。

⇒16点+20点+32点=68点

合計40点以上なので(Ⅰ)を算定可。

③新設または増改築を行い、3か月以上1年未満の実績しかない場合

在籍者数のうち、過去3か月間の重心医ケア児それぞれの医療的ケアスコアを利用日数分計上し、営業日数で1日あたりの平均値をとる。

  • 営業日:60日

  • 医療的ケアスコアが16点の重心医ケア児が50日利用。

  • 医療的ケアスコア20点の重心医ケア児が45日利用。

  • 医療的ケアスコア32点の重心医ケア児が30日利用。

⇒(16点×50日+20点×45日+32点×30日)÷60日=44.3点

合計40点以上なので(Ⅰ)を算定可。

2.看護職員加配加算の単位数

看護職員加配加算の条件に一致している場合は、既定の単位数を取得できます。看護職員加配加算は施設の定員数と(Ⅰ)(Ⅱ)で単位数が異なります。

参考:障害福祉サービス費等の報酬算定構造|厚生労働省

単位数は稼働日数に対して計算されるので、看護職員数が増えても点数が増えるわけではありません。

※計算式※

加算単価 × 1日平均児童数 × 月営業日数 = 月間加配加算報酬額

地域係数を1単位=10円とする。

3.看護職員加配加算の留意点

看護職員加配加算の留意点として、常勤換算で1名以上の看護職員がいる必要があります。また、看護職員加配加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は同じ児童で併用して算定することができません。即ち、看護職員加配加算(Ⅱ)で安定できる場合は必ず(Ⅱ)で算定するようにしましょう。

4.まとめ

看護職員加配加算はかなり複雑ですが、後の算定を上手く利用すればかなり優位に経営を行うことができます。例えば看護職員加配加算(Ⅱ)が算定可能な児童が5人いれば800点×5で4,000点、1日40,000円の算定が可能になります。

放課後等デイサービスで事業を行っていく上では、この看護職員加配加算だけでなく多くの算定をすることができます。しかし、それらをすべて自分で把握することはかなり困難なことかと思います。放課後デイGrannyでは同業者のご相談やフランチャイズ参加も受け付けております。まずはお問い合わせください。