放課後等デイサービスを運営するにあたって、トラブルを抱えている事業所もいるのではないでしょうか?児童への接し方だけでなく、保護者との関係やスタッフとの連携など課題は尽きません。
この記事では、皆さんが抱えているトラブルと、その解決策についてご提案していきます。
目次
1.利用する児童のトラブル
1-1.暴力や暴言を止められない
1-2.他の児童が嫌がる行為をする
2.働いてくれる職員さんのトラブル
2-1.子どもとの接し方に悩んでいる
2-2.施設の運営方針と合わない
2-3.無資格でアルバイトを続けていいか不安
2-4.働いている人同士のトラブル
3.保護者や周辺住民とのトラブル
3-1.自分の都合を押し付けてくる
3-2.施設近くの住民から苦情が来る
4.まとめ
1.利用する児童のトラブル
放課後等デイサービスとは、支援が必要と認められた6歳から18歳の障害児が、生活能力向上に必要な療育を、授業の終了後または休校日に受けるためのサービスです。放課後等デイサービスを利用している児童たちに関連するトラブルを2つご紹介します。
1.暴力や暴言を止められない
放課後等デイサービスを利用する児童の中には、他の児童やスタッフに暴力を振るってしまったり、暴言を吐いてしまう児童もいます。デイサービスの中で暴力を振るってしまった時に、頭ごなしに叱るだけでは何の解決にもなりません。まずは共感し、児童に寄り添ってあげることが大切です。すぐに叱るのではなく、寄り添い、信頼関係を築き、理由を聞いてあげるようにしましょう。
そして、暴力的になる理由がどこかにあるはずなので、氷山モデルなどを利用して原因の探求をしましょう。学校の担当者、ケースワーカー、相談支援事業所、全てを巻き込んで話し合う必要があります。また、キーパーソンとなる職員を付け、暴力をふるう前にストップをかけられる体制を作るのも効果的です。
2.他の児童が嫌がる行為をする
前述の暴力行為と共通するところがあるかもしれませんが、他の子に乗っかったり頭を叩いたり、泣かせてしまうなんてこともあります。職員の人件費もあるため経営的に難しい場合もあるとは思いますが、まずはマンツーマンでその児童の対応をするのがよいのではないでしょうか。職員がマンツーマンで張り付いていれば、予測してトラブルなどを未然に防ぐことも可能になります。
また周りにいる児童たちも、どのようなときにその児童が嫌なことをするのかを理解し始めます。基本的に受け入れを拒否することはできないので、嫌な顔をするご家族もいるかもしれませんが、ご家族とも二人三脚の姿勢で児童に寄り添ってあげることが児童の支援になります。
重症心身障がい児のための
放課後等デイサービスを利用してみませんか?
重症心身障がいや、重複障がいをお持ちのお子様のための、放課後等デイサービスという福祉サービスを受けられる施設があります。
看護師や保育士の資格を持ったスタッフが、マンツーマンの医療ケアやリハビリを行います。
学校終了後の時間や、休日にお子様が楽しめる環境を見てみませんか?
定員5名で職員の目が行き届く
看護師、自発管による専門的な療育
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2.働いてくれる職員さんのトラブル
デイサービスで働いてくれている職員さんにも悩みがあるのではないでしょうか。様々なトラブルがあるかと思いますが、こちらでは4つのお話をさせていただきたいと思います。
1.子どもとの接し方に悩んでいる
たくさんの児童を預かっている状況下で、一人の児童に対して入れ込みすぎるのは差別になってしまうのではないだろうか。そんな悩みを抱えている職員の方もいます。障害を持った児童たちが、19歳以降にどのような生活を送っていけるかを考えながら職員の方々は働いてくれています。デイサービス内では、「何事もなく1日楽しく過ごしてくれればいい」というご家族の方もいらっしゃる一方で、仕事で忙しいご家族ではなかなか時間をとることができないようなトレーニングも、家庭と連携して児童ができることを一つでも増やしていくことが望ましいです。
児童が本当はできることを周囲の判断で制限しなくて済むように、ご家族の方々にも前向きな考えで協力頂けるようにきちんと話し合いをしましょう。それが、18歳までのその場しのぎではなく、19歳以降就労した際に通用するような児童になるということです。
2.施設の運営方針と合わない
施設によって運営方針や1日のスケジュールは異なっており、職員の中には施設の運営方針と合わず悩んでいる方がいます。職員がどれだけ意欲があっても、施設側がプログラムを組んでいなければなにも手が出せない状況に陥ります。もしこの職員が勝手にスケジュールを変更してしまうと、職員によって児童への対応に差が出てしまうとご家族からもクレームが入ってしまう可能性もあるため、できるだけ周囲に合わせなければならず、窮屈な思いをしています。
本来放課後等デイサービスは生活能力向上のために、必要な訓練や社会との交流を促進したり、利用者個人の状況により適切な発達支援を行なう場所です。もし施設の運営方針と合わず悩んでいる職員の方がいる場合は、何が児童のためになるのかを一度施設内で考えられると良いでしょう。また、面接時に施設の運営方針を伝えてすり合わせることも必要です。
3.無資格でアルバイトを続けていいか不安
放課後等デイサービスには、一般的な放課後デイサービスと、重心放課後デイの2種類があります。一般的な放課後等デイサービスでは、学生のアルバイトや主婦のパートさんも働くことができ、無資格者の従業員でも運営スタッフになれるため、経験値や知識不足によるトラブルが起こります。一方重心放課後デイの運営は、看護師、保育士、理学療法士などの有資格者がたずさわります。充実した人員配置で支援体制が整っているため、トラブルが起こりづらいのが現実です。
アルバイトスタッフの不安や現場での事故は、無資格者でも従事できる一般的な放課後デイでよく問題となります。放課後等デイサービスを開業しようと考えている場合は、どのようなスタッフを雇うかもポイントになるでしょう。
4.働いている人同士のトラブル
働くスタッフ同士のトラブルは、デイサービスに限らずおこる問題かもしれません。介護業界は常に人手不足のため、必要な人員を確保できていない施設もあるかと思いますが、人手不足による過労やストレスはスタッフに降りかかります。仕事が忙しいと職場環境自体もピリピリしてしまう事はあるでしょうから、必要な人員が不足しないようにしましょう。
3.保護者や周辺住民とのトラブル
放課後等デイサービスの運営にあたっては、保護者や周辺の住民とのトラブルもつきものです。自分たち中心になっている保護者や、施設近辺の住民から苦情が来るケースもありますので、ご紹介させていただきます。
1.自分の都合を押し付けてくる
保護者の中には、ご自身のお子さんを中心に物事を考えており、それを職員に強要してくる方もいます。「あの子とはうまくいっていないから一緒に行動させないでほしい」、「他の子供にさせているようなことをうちの子供にもしてほしい」など様々な要求があります。
しかし、放課後等デイサービスとは、そもそもがそれぞれに必要な個別支援を行う場所です。ひとりひとり目標や課題が異なるため、児童にとってどんなことが「挑戦」や「学び」になるのか。それを職員とご家族の方々が一緒に考え、歩み寄って児童に教えていくことが大切なのではないでしょうか。
ご家族の方々は、お子さんの現実を見ていないか見ないようにしている方もいるのかもしれません。ただ、お子さんとしっかり向き合ってもらえるように、保護者の方が喜ぶような言葉をかけてあげることが、お互いに歩み寄るきっかけになるかもしれません。
2.施設近くの住民から苦情が来る
デイサービスだけでなく、幼稚園や小学校といった児童を預かる施設がご自宅の近くにあると不安だという近隣住民も中にはいらっしゃいます。園内の活動中に発生する騒音や、住居・土地への侵入への不安は、小さな子が周りにいれば当然の不安です。
もし施設に対してクレームや指摘があった場合は、素直に聞き入れて改善の姿勢を見せましょう。地域と共生していくためにも、施設の運営に周辺住民の理解は必須です。もし周辺住民から行政の窓口に相談が入ると、施設に対し是正の指示が入ります。改善されずに問題行動やクレームが続いてしまうと、最悪認可取り消しになってしまう恐れもあるため、迅速な対応を心がけましょう。
4.まとめ
今回は、放課後等デイサービスで働く職員、児童、保護者の目線で起こりうるトラブルとその解決策についてご紹介させて頂きました。デイサービスを利用する児童にとって、職員と保護者の方が歩み寄り、二人三脚の気持ちで児童に接してあげることが大切だと感じております。放課後等デイサービスを解説するにあたって不安な点がある場合は、なんでもご相談ください。
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