風の時代と言われる現代では、脱サラして独立する人が増えています。2021年11⽉に行われた調査でも、独立1年未満の30代経営者は、昨年比+11.2%、20代でも2.8%増加と、コロナ下でもサラリーマンを辞めて独立開業している人が増えていることがわかります。
自分で独自の事業を立ち上げる人も多く見受けられますが、ゼロの状態から未経験で創り上げていくのはかなりの労力がかかります。独立開業は自分で事業を創り上げる以外にも、始める方法はいくつかあります。
これから脱サラして独立しようとしている方には、事業としてすでに確立しているフランチャイズを始めるのがおすすめです。そこで今回は、脱サラしてフランチャイズを始めるにはどのようにしていけば良いのか、実際の失敗例も踏まえてお話ししていきます。あなたが脱サラしてフランチャイズで事業を始める一歩にしてください。
目次
1.脱サラする前にやるべきこと
1-1.事業や業態の選定
1-2.事業資金の準備、調達
2.脱サラで事業を始める際にコストを抑えるには?
2-1.固定費を抑える
2-2.補助金が出る事業を選択する
2-3.在庫を抱えない事業にする
3.脱サラ前に知っておくべきフランチャイズのメリット・デメリット
3-1.フランチャイズのメリット
3-2.フランチャイズのデメリッ卜
4.開業への流れについて
5.脱サラしてフランチャイズで独立開業する上で抑えておくべきポイント
5-1.脱サラ前にある程度生活資金は用意しておく
5-2.事業計画をつくる
5-3.開業時期やタイミングを見計らう
6.フランチャイズにおすすめの事業
7.まとめ
脱サラする前にやるべきこと
フランチャイズ経営が気になっているとはいえ、あなたは脱サラしてどのようなことを始めていく予定ですか?ただなんとなくフランチャイズがいいと思って決めてしまうと失敗のリスクが高まり、取り返しのつかないことになります。
実際に独立している脱サラ経営者の26.8%が会社員時代に副業しており、そのうち6割以上が副業が独立に生かされたとも明らかになっており、脱サラする前の副業や独立準備が重要だとわかります。
このように、脱サラして独立開業する上では会社員時代の準備がかかせません。では、どのような準備を始めれば良いのかを2点お話ししていきます。
1.事業や業態の選定
まず業種選びはフランチャイズで事業を始める上で非常に重要です。しかしフランチャイズ加盟店の募集がありすぎて、どの業種を選べば良いのか分かりづらいです。自分に合った業種を選ぶには、2つの基準があります。
1.経験のある業種を選ぶ
脱サラして独立開業してからも、営業やマーケティング、店舗経営など、経営者として覚えるべきことはたくさんあります。その際に仕事内容も全く知らない分野ですと要領を掴むまでにもかなりの時間がかかってしまいます。その点、これまでに経験のある業種であれば、情報や仕事のノウハウを持っている分、開業後の経営を軌道に乗せやすい傾向があります。
2.競合は少ないが、需要が高く求められている業種を選ぶ
どれだけすばらしい商品を提供していても、同じような商品サービスを供給する競合が多くては、あなたのお店をお客様が気づくことすらない状況に陥る可能性があります。その点、供給がまだ追いついていない事業というのは、需要があり稼働率が高くなりやすいです。
現時点で特におすすめなのが重症心身障害児童の放課後等デイサービスです。障害福祉サービスは平成19年度から国の予算も毎年増強されており13年間で3倍に増加しています。国の方針として、2024年3月までに、1700箇所の事業所を整備しようと積極的に動いています。市場規模だけでなく国から積極的に事業所増加を推進されている事業は、需要が高いといえます。
2.事業資金の準備、調達
脱サラして事業を始めるにあたり、問題となってくるのが資金面です。店舗経営であれば、自己資金だけでは当然足りないため、金融機関の融資を受けることをおすすめします。フランチャイズでの開業資金には、加盟金、物件購入・リフォーム費、開業前研修費、設備・備品、事務用品、求人広告費、保険加入費、車両リースなどの費用がかかります。
初期費用の例
項目 | 金額 |
加盟金 | 3,000,000円 |
物件取得・リフォーム費 | 2,000,000円 |
開業前研修費 | 500,000円 |
設備・備品 | 900,000円 |
求人広告費 | 500,000円 |
保険加入費 | 30,000円 |
車両リース | 60,000円 |
合計額 | 6,990,000円 |
必要経費を揃えていくと、地域や物件の広さなどにもよりますが、初期資金で以上のようなお金がかかってきます。そこで、金融機関からの資金調達をサポートしてくれるフランチャイズ本部も中にはあります。サポートの手厚いフランチャイズを積極的に探すのも効率的です。
脱サラで事業を始める際にコストを抑えるには?
フランチャイズのみならず事業を行う際には、初期費用のほかに、固定費、変動費など
大小のコストが発生します。初めて事業に挑戦する方は、なるべくコストを抑えて取り組める事業を選ぶのがポイントです。
コストを抑えて経営するポイントを3つご紹介します。
固定費を抑える
補助金が出る事業を選択する
在庫を抱えない事業にする
1.固定費を抑える
事業を経営する上で支出を抑えることは重要な事ですが、特に固定費の見直しは常に必要です。売上の60%以上が固定費のみでかかってしまっては経営は成り立ちません。固定費に該当する具体的な費用は、人件費、店舗家賃、水道光熱費、リース料、減価償却費などがあります。
2.補助金が出る事業を選択する
フランチャイズ事業の開業にあたり脱サラしてからは圧倒的に資金面が足りなくなる事が多いです。自己資金があるとはいえ、利益が出ないまま支出だけが発生してしまうと次第に生活もままならなくなってしまいます。
そうなる前に、金融機関から融資を引っ張っても良いのですが、国の補助金制度は積極的に活用しましょう。融資ではなく補助金ですので、返済をする必要もありません。
3.在庫を抱えない事業にする
在庫を抱える事業は必然的に初期費用や維持費が多くかかってしまいます。また、在庫を持つということはこれらがうまく販売できなかった場合はその分の負債を抱えることになります。製造業や卸売は経営初心者の段階では選ばないようにしましょう。コストを抑えたい場合は、形のないIT系やサービス提供をするような業種がおすすめです。
脱サラ前に知っておくべきフランチャイズのメリット・デメリット
脱サラしてフランチャイズ事業を展開していく上では、メリットとデメリットが存在します。どういった点がメリットなのか、デメリットがどれだけあなたに影響するのかという観点から考えてみてください。
フランチャイズのメリット
フランチャイズは既に確立された事業が本部によって運営され、加盟していく形式になっています。メリットともいえるフランチャイズの特性を理解しておきましょう。
1.商品・サービスが用意されている
フランチャイズでは、すでに収益がでている商品サービスを提供してもらえるため、経営を軌道に乗せやすいです。さらに、加盟店のネームバリューを利用することができます。顧客の認知度が高い状態でスタートできるほか、自社ブランドを1から立ち上げる必要もないので時間コストの削減が望めます。
2.ブランド本部のプロモーションが店舗の宣伝になる
フランチャイズでは本部の広告活動が、各加盟店の集客につながります。フランチャイズ本部にも当然経営や販売広告などの戦略が存在します。本部が行う宣伝活動は自分の店舗の宣伝にもつながるため、高額な広告出稿費を抑えながら同等の集客力を手に入れることができます。
3.貢献度の高い仕事ができる
脱サラして独立開業後はひたすら「利益追求」をしていくことになります。ただ利益を追求するだけでなく、本当に自分がやりたいことを選択できるため、社会に貢献していることを社会人時代よりもより実感しながら働くことができます。
フランチャイズのデメリッ卜
既に確立された事業に加盟できる分、金銭的・仕組み的な注意点は存在します。デメリットを把握したうえで、自分に合った独立開業方法を選びましょう。
1.フランチャイズ本部へ毎月の支払い(ロイヤリティ)が発生する
フランチャイズ事業では、商品サービスやお店の名前を使用する代わりに、対価としてフランチャイズ本部へ支払いが発生します。その支払いはおもに「加盟金」と「ロイヤリティ」です。
加盟金とは、フランチャイズ契約を締結した際にフランチャイズ本部から店名、ロゴマーク、商品サービス、経営ノウハウ、研修、サポートを受けるための本部に支払う契約金のことです。
ロイヤリティとは、継続して店舗の知名度、ブランドイメージ、ノウハウを利用するために毎月支払う月額費用のことです。ロイヤリティはフランチャイズ本部によって金額の決め方や大きさは異なります。月額固定を納める場合もあれば、売上・利益の何%といった成果に合わせたものもあります。万が一売上が思うように作れなくなると、ロイヤリティの支払いが経営を圧迫することにも繋がります。長い目で見て支払いが可能かどうかを、加盟申込前に判断しましょう。
2.フランチャイズ本部の決まりを守らなければならない
フランチャイズ事業をはじめるにあたり、フランチャイズ本部と契約を結びます。自分で立ち上げる起業と違って本部のネームバリューを背負っていることになりますから、自由に経営をできない場合があります。
開業への流れについて
フランチャイズオーナーとして開業する場合、加盟の契約を結んでまずは物件探索や助成金の申請、オーナーの研修といった前段階の準備から始まります。このあとに物件の内見や契約内装などの委託など細かな設計が始まります。この段階で公的機関への申請を行い事業登録も行っていきます。そして人材採用、内装が完成し始めた段階で雇用者の研修や備品の準備をしていきます。オープン前には必ず内覧会といったプレオープンを行って利用者を早い段階で地域へのアピールもします。こういった開業までの流れは基本的に本部が手熱くサポートくれるところが多いですが、弊社のような特殊事業のフランチャイズは脱サラしてからの流れをより一層手厚いサポートで事業展開へのサポートをしております。
脱サラしてフランチャイズで独立開業する上で抑えておくべきポイント
脱サラしてからフランチャイズで独立開業するまでにやるべき事はたくさんありますが、そんな中でも特に注意しておくべき3つのポイントについて紹介していきます。
脱サラ前にある程度生活資金は用意しておく
事業計画をつくる
開業時期やタイミングを見計らう
1.脱サラ前にある程度生活資金は用意しておく
フランチャイズ事業において、どんな事業でも初期費用がかかってきます。脱サラする前に貯金をしていて自己資金はあるけど生活費を考えていなかった、というパターンもたまにあります。開業して間もない頃は赤字になることが大半です。そうなっても貴方が生活できる費用は別で準備しておきましょう。自身の生活がままならなければ経営はうまくいきません。
2.事業計画をつくる
フランチャイズ事業では疎かにされますが、融資を通す上で事業計画は非常に重要なものです。これは事業をどのように勧めていくかだけでなく、収支計画も重要です。公庫でも銀行でも黒字化の見込めない会社に融資はしてくれません。
3.開業時期やタイミングを見計らう
「営業において重要なのはタイミングだ」と言われるくらいにタイミングは重要です。例えば感染症拡大の影響でまん延防止策が取られている状況下にもかかわらず飲食店を開業するのはタイミング的に得策ではありません。社会情勢や地域の状況をみて開業時期も決定しましょう。
フランチャイズにおすすめの事業
フランチャイズにオススメな事業は、需要に対して供給が追い付いていない事業です。特に国を上げて取り組んでいる事業というのは、金融機関の融資や国の補助金が通りやすく、経営資金を集めやすい傾向にあります。
児童向け事業のうち、放課後等デイサービスとは圧倒的に施設数が足りておらず、その中でも重心児向けの放課後デイサービスが特に必要とされています。もし子どもが好きで地域のためになる仕事を始めたい方は、検討してみるのはいかがでしょうか。
まとめ
急いで脱サラする前に、事業は何をするのか、どのフランチャイズに加盟するのかなど決めることが多く、すぐに行動できないのはもどかしいですが、利益を出して長く経営していくためにも会社員でいる間にしっかりとリサーチを重ねましょう。特におすすめな事業は国からのニーズが高い事業、例えば重心児向け放課後デイサービスです。この先さらに需要が拡大してくる事業に参加することをおすすめします。
フランチャイズ加盟の詳しい内容については各社セミナーや説明会で案内していることが多いため、まずは資料請求や説明会に参加して、詳細を確認しましょう。
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