
「フランチャイズ制度を使って独立開業しよう」と考えられている方は多いと思いますが、本当に儲けることができるのか不安な面もあります。ネット上では「フランチャイズは儲からない」という噂も散見されます。正直にお話しすると、フランチャイズは儲かることもあるし、儲からないこともあります。事業の進め方によって左右されるものですので、同じ業種でもフランチャイズ運営本部のやり方によって異なってきます。
そこで今回は、フランチャイズの独立開業は儲からないのか、儲けを出すためにするべきことなどについて解説していきます。今回の記事を読んで、フランチャイズの仕組みを理解し、独立開業に活かしてみてください。
目次
1.フランチャイズは儲からないのか?
1-1.フランチャイズでも儲けることはできる 1-2.フランチャイズオーナーはどのくらい稼いでいるのか
2.稼げるフランチャイズを論理的に選ぼう 3.儲かるフランチャイズの選定方法3選 3-1.世間から必要とされており、需要が高い 3-2.ライバルがまだまだ少ない 3-3.サポートと研修制度がしっかりしている
4.儲からないフランチャイズの見分け方 4-1.粗利益が少なすぎる 4-2.ライバルが多すぎる業種・地域で展開しようとしている
5.儲けを出すために実施すべきこと 5-1.本部の説明会に必ず参加 5-2.事前の計画を確実に立てておく 6.まとめ
フランチャイズは儲からないのか?
ネット上では時折「フランチャイズは儲からない」と噂されていますが、実際のところはどうなのでしょうか。まずは、フランチャイズで独立開業するにあたって稼げるかどうかを客観的事実をもとにご紹介します。
フランチャイズでも儲けることはできる
結論から申しますと、フランチャイズの開業でも儲けることは可能です。日本フランチャイズチェーン協会が発表している「フランチャイズチェーン統計調査」によると、2020年度の日本国内のフランチャイズビジネス市場規模は約25兆4千億円でした。
2019年度から2020年度はコロナウイルス蔓延の影響もあって市場規模は減少してしまいましたが、コロナウイルスなどで日本の情勢が大きく変わるまでは年を追うごとに売上高やチェーン数が増加傾向にあります。フランチャイズ展開している業種も増えてきて、フランチャイズでの独立開業も選択の一つとして取り上げられることが多くなってきました。業種によっては開業半年で黒字転換できる業種もあるようです。
ただし、フランチャイズで独立開業しても、全ての人が成功している訳ではありません。儲けている人もいれば、儲かっていない人もいます。フランチャイズ本部とフランチャイズ契約を交わしますが、本部に雇用されるわけでも経営をすべて任せられるわけでもありません。あくまでも本部とは対等な立場にあるので、自身の力で独立したひとつの店舗として利益を上げることが必須になります。経営には、独立開業した自身の努力が必要になるのです。
結局のところ、フランチャイズとはいえオーナーである自らがの努力を重ね、儲けを出してくことが必要です。
フランチャイズオーナーはどのくらい稼いでいるのか
フランチャイズオーナーの平均年収は、おおよそ500万円前後とされています。しかし、業種や開業する地域などによっても変化してくるので、年収400万円以下~1,000万円以上とその差は大きいです。
しかしこの平均年収はあくまで目安です。例えば、売上は他と比べて変わらない業種でも、ランニングコストや経費を削減できる業態であれば、年収も変わってきます。また、「年収がかなり多く見込める」とはいえ、労働時間がその分長時間になるものであれば、単に収入が良いとは言えないでしょう。単に年収の多さだけで判断するのではなく、そのフランチャイズビジネスの全体を確認し、利益がどれだけ残せるのかを吟味していくことが重要です。
稼げるフランチャイズを論理的に選ぼう
フランチャイズで独立開業する際にはもちろん自らの経営の努力が必要ですが、フランチャイズで儲けるためには、それ以前に大切なことがあります。それは加盟するフランチャイズを選定することです。フランチャイズをこれから始めようというのに、全く勝ち目のない業種や需要のない職種を選んでも、「儲からなくてそのまま終わり」ということになりかねません。儲かる可能性が高いフランチャイズを選ぶか、儲かる可能性が低いフランチャイズを選ぶかで、その後の人生が大きく変わります。
儲かるフランチャイズの選定方法3選

では実際に儲かるフランチャイズはどのように選んでいけば良いのでしょうか。ここからは儲かるフランチャイズの選定方法を解説していきます。あなたがフランチャイズを選ぶ際の判断材料にしてください。
世間から必要とされており、需要が高い
ライバルがまだまだ少ない
サポートと研修制度がしっかりしている
1.世間から必要とされており、需要が高い
フランチャイズ開業で儲けたいなら、まず第一に考えることは需要が高い業種を選ぶことです。いくら今までにない画期的なビジネスアイデアでも、需要が全くなければ売上を上げることはできません。儲けるための鉄則は、そのビジネスにおいて「悩みを持っている人がいるか」が重要です。世間から必要とされており、需要が高いものであればあるほど、儲けることができます。
日本全体でどれくらいの需要があるのか、開業したいと思っている地域でも需要があるのか市場調査を行ってみましょう。
2.ライバルがまだまだ少ない
ライバルや競合店がまだまだ少ないというのも1つの判断材料となります。需要はあるがまだまだそのビジネスを実施している人たちが少なかったり、地域に特化したビジネスができることで他の競合が少ないと、あなたのビジネスが顧客をスムーズに獲得できるようになります。ビジネスを展開する上で、ライバルが少ないというのは非常に有効的です。
3.サポートと研修制度がしっかりしている
フランチャイズで独立開業する際は、フランチャイズ本部のサポート充実度もチェックしましょう。特別な知識やスキルが必要な業種で1人で全て実施するとなると大変な場合があります。そんな中フランチャイズ本部がしっかりサポートしてくれたり、充実した研修を設けてくれたりしていると安心です。本部がしっかり儲けることができている業種というのは、売上を上げていくために十分なサポートや研修がしっかりしているものです。
また、業務スキルなどだけではなく、経営ノウハウなどが学べる研修があるかどうかもチェックするとなお良いでしょう。
儲からないフランチャイズの見分け方
では逆に、儲からないフランチャイズはどのようなものなのでしょうか。儲かるフランチャイズの見極め方も併せて解説致します。このようなフランチャイズには手を出さないようにしましょう。
1.粗利益が少なすぎる
いくら売上が高い業種であっても、粗利益が少なければ意味がありません。粗利益とは、正式な会計用語としては売上総利益と呼ばれるもので、売上から売上原価を差し引いたものになります。
売上総利益=売上-売上原価
極端な例になりますが例えば、売上が1500万上がったとして、売上原価やランニングコストが1200万かかってしまえば、あなたのビジネスの粗利は300万になります。
つまりいくらあなたが頑張って働いて売上を上げたとしても、粗利益が少なければただただ苦しいビジネスとなってしまいます。フランチャイズの実績などで売上の多さをアピールしている企業は多いですが、売上だけでなく「毎月かかる経費や支払いはいくらなのか」も見極めながら選定しましょう。
2.ライバルが多すぎる業種・地域で展開しようとしている
いくら需要が多い業種でも、ライバルがかなり多い業種・地域だったり、大企業がシェアをほとんど占めている業種などは避けましょう。フランチャイズを独立開業しても最初は小規模からのスタートです。そんな小規模の事業が、ライバルの多い業種の中に飛び込んでも売上を上げていくことは中々難しいでしょう。顧客は信頼できる企業のサービスを利用したい心理が働くため、長年そのビジネスに根付いている企業や大きな有名企業に流れてしまいます。ライバルがかなり多い業種・地域であなたが勝負していくのはとても難しいのです。
儲けを出すために実施すべきこと

フランチャイズでの独立開業を実施する際の選定方法についてお伝えしましたが、ここからは実際に儲けを出すために、事前に押さえておくべきポイントをお伝えします。「儲けが出なくなってから考える」では遅いので、事前に考えて実施しておきましょう。
本部の説明会に必ず参加
フランチャイズでの独立開業する際に、自分で情報を調べるのも良いですが、興味の持った業種については実際の説明会などに参加しましょう。もちろんWeb上などに正しい情報を載せてはいますが、例えばそれらの数字が実績ではなく、実現を目指しているという数字になっていることがあります。フランチャイズの情報は文字だけでは分からない部分が多いです。数字だけに惑わされるのではなく、しっかりと自分が納得いくまで情報を得るようにしましょう。
そのために、本部の事業説明会などへの参加を実施するのがオススメです。Web上では詳しく記載されていないような情報や、フランチャイズ加盟に関してより詳しい説明を本部から聞くことができます。また、加盟したい業界の本部の説明会にいくつか参加して情報を集め、フランチャイズ本部を比較して検討してみるのもいいでしょう。
事前の計画を確実に立てておく
フランチャイズでの独立開業をする前に、しっかり収支予測などの計画は立てておきましょう。安定した経営をしていくには、どのくらいの売上が見込めるかやどれだけの初期費用がかかるのか、ロイヤリティやランニングコストはどのくらいかかるのかなどを事前にシュミレーションしておくことは必須です。おおよその収支予測を考えておくと、いつまでに初期投資が回収できるかや、黒字転換できる時期もある程度目星がつきます。計画が全く考えられていないと、赤字経営または廃業になってしまう恐れもありますので、事前に必ず実施しておきましょう。
まとめ
「儲からない」とネット上で言われているフランチャイズ加盟は、実際のところ儲けることはできますが、それには儲かるフランチャイズをしっかり選定することが大切です。儲かるフランチャイズを選定する際は以下のポイントを確認しましょう。
世間から必要とされており、需要が高い
ライバルがまだまだ少ない
サポートと研修制度がしっかりしている
フランチャイズの情報は自身で調べるのも良いですが、本部の事業説明会へ参加するとさらに詳しい説明を聴くことができます。正しい情報を得た上で、フランチャイズでの独立開業をしましょう。
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